季節便り 2014年 11月 「仕事を楽しむ」
二〇一四年 十一月(霜月)に入り、夕方五時ごろには日が暮れる時期になりました。昼間は、空気が乾燥した日が続き、秋晴れで気持ちが良い日が続いています。
できれば、とても快適です。読書、仕事、テレビ、音楽鑑賞、外に出て、庭いじり、畑仕事、散歩、等々。何をしても、昼間は暑くなく、また寒くなく過ごしやすく、自分の時間を楽しむには絶好の時期です。
はて、自分の中で仕事が楽しいと思う時期があったのかと尋ねられたら、どうお応えになりますか。
小職も楽しい時期があったと応えると思います。だれにでも確かにあったはずです。
ただ、その楽しさ、喜びはどこから湧き出てきたのでしょうか。
小職のサラリーマン生活を振り返ると、多くは、功名、自利を得た時でしょう。事が自分に有利に働き、何らかの形で褒められたり、金銭的な報酬を多く得ることができた時でしょう。
このような楽しみは、人のやる気を刺激する上で大切な出来事です。
でも、世の中には、そこに楽しみを見出していない人がいることに気付きます。人様、他人をいかに喜ばすか、楽しくさせるかという点に苦慮して、ある意味では、自己犠牲をしてでも、他人を喜ばせることに心血を注いでいる人がいます。
なぜそのような気持ちに人を駆り立てるのでしょうか。
ここに立派な経営者の言葉があります。
『よい経営を続けてゆくためには、
心の底流に「世のため、人のため」という思いやりの気持ちがなくてはならない
稲盛和夫』
『他人から「してもらう」立場でいる人間は、足りないことばかりが目につき、不平不満ばかりを口にする
しかし、社会人になったら、「してあげる」側に立って、
周囲に貢献していかなくてはならない。』
とまた、稲盛氏は言われています。
私欲(自利)で楽しむのではなく、利他の精神から湧き出てくる事で楽しむのです。
「仕事で成功できない人は、常に目先の業績を追いかけています。
仕事で成功する人は、お客様の脳を心地よく刺激することを常に考えています。」とある経営者から助言を受けたことがありました。
どうも仕事を楽しむという本来の意味はこのあたりにあったのでしょう。
人様をまず、楽しませることを先決に考えて、仕事をすることで結果的に自分に返ってくるという事でしょうか。また、自分への見返りがなくても、他人、社会に貢献しているという喜びが仕事を楽しくさせているのかもしれません。
若い時は仕事で、平均すると一日10時間は生活のため、人生を充実(功名)させるために功利活動(自利)に従事していたのかもしれません。しかし、シニアーの年代に入ると、「この時間」が全て「余裕」に変わり、「利他」に使う事が出来るようになるわけです。
人生の熟達者、即ち、「ベテラン」の社会奉仕の資源は正に、人生の後半の一〇年にあるといえるでしょう。勿論、還暦を迎えて尚、煩悩を捨てきれず、欲に踊らされたまま快楽を求める者も少なからず居るのは承知。否、其処までとは言えなくても、隠居と称して定年後を「遊び時間」として浪費する方も少なくはないでしょう。
やはり、美徳、人間性を磨くためには、しっかりした考え方、人生哲学が根付いていないとできないのでしょう。
まだまだ未熟な小職、もっともっと人間性を磨くために、仕事を通して、鍛える必要がありそうです。
いつか、しみじみ、「仕事って楽しいなあ」といってみたいものです。
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源じいより。